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壁を作る話

 今回は「壁」。頭部管の製作で出てくる言葉です。

 

 「壁」=頭部管の息の当たる部分。主にライザーという箇所ですが、ここを繊細な形状に削り、更にオーバーカット、アンダーカットを行って唄口の仕様を整える作業です。ライザーはチムニー(煙突の意)とも呼ばれ、音色・吹心地を左右する重要な部分となります。

 

 

材料はこんな感じです(写真は銀)。リッププレートは0.7mm厚の板をプレスして作られます。その脇に置いたのがライザー。結構分厚いでしょう?

 

 

リッププレートの唄口外形を作ります。それをライザーにロウ接、そして管にハンダ付けします。

 

(作業工程は当ホームページの「工場見学(workshop)」で動画が見れます。英語版ですみません)。http://www.pearlflute.com/_english/tra_workshop.html

 

こんな感じです。この時点ではすごく唄口も小さいでしょう?

更に唄口を正確に拡げ、そこにオーバーカット、アンダーカットをつけていきます。

 

 

オーバーカットはリッププレートの外側なので見れますが、アンダーカットは頭部管の内側です。歯医者さんのように鏡を入れて確認。独自の測定具を使いながら慎重に作業を進めます。職人の感覚が必要です。世間で「職人気質」というと、気まぐれと紙一重の芸術的イメージがあるかもしれませんが、きちっと規格に沿った作りが求められる「感覚」です。

 

でもそれ以上に繊細なのは皆さん奏者の感覚。「個体差」という表現がありますが、試奏一回目と二回目で全く違う印象になる事があります。確かに別のものである以上、個体差はありますが…どれも品質を満足するよう素材を吟味しベストを目指して製作しますので、個体差とはむしろ奏者と楽器の相性や出会いかもしれませんね。貴方にぴったりのパールフルートがあれば嬉しいです。

 

写真は上=925Ag銀製(唄口PHN-1)、下=プリスティーン970Ag銀製、リッププレート&ライザーはローズゴールド14K金製(唄口Forte)の頭部管です。