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2020年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲 フルートパート徹底解説【Ⅰ】トイズ・パレード 解説:礒田 純子

2020年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲 フルートパート徹底解説!

課題曲Ⅰ トイズ・パレード(第30回朝日作曲賞受賞作品)

解説:礒田 純子 オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ フルート・ピッコロ奏者

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◇トイズ・パレード◇

 

作曲者の方からのお話だと、この曲はディズニーの「狼なんか怖くない」と「いつか王子様が」の曲からヒントを得て、作曲したと言われていました。

どのフレーズにその部分が感じられるか、考えてみても楽しいですね!

 

まず前奏はテンポが滑らないように、そして華やかに演奏しましょう!Aの5小節目辺りや、Bの5小節目からなど、この曲の中に何度も出てくる、16分音符から2拍目にかかっているスラーを正確に演奏して、このフレーズのキャラクターをしっかり表現し、付点音符が軽やかに聴こえるよう、演奏して下さい。

Bのトリルに入る際、1拍前の16分音符から繋がり入ってきますので、音符が上がってくる勢いで、トリルの頭にアクセントがついてしまわないよう気を付けながら、音量は3拍目に入ってから遠退いて行くような印象で、減らしていきましょう。同じパターンのフレーズがEやJにもありますね。

 

Cの2小節目の3拍目裏からのフレーズは、可愛らしく・スタッカートもはっきり短く、とにかくアーティキュレーションを正確に演奏して、キャラクターを出してください。3連音符に関しては、テンポ設定があまり速くないマーチですので、通常の運指で動けるようになって欲しいですが、パートでどうしても揃わないようであれば、替え指①を使って演奏してみて下さい。Dの1小節前にある3連音符も、同様に揃いが悪い・テンポに噛み合わないようであれば、替え指②を使用してみて下さい。でも本来は正式な運指で使う方が、音程・音質はいいのですからね。最初から楽はしないで、練習してみて不可能なら使ってみて下さい。Eの2小節前のところは、アクセントを印象的に付けて演奏して下さい。

Eの6小節目のクレッシェンドは中音域で、なかなか大きくしていきにくいのですが、意識を持って吹いて下さい。

 

Trio前後のF-Gトリルですが(※Kにもあります)1stは通常のトリル運指で構いません。でもPiccはFlと同じ運指でトリルしてしまうと、音程が低く聴こえてしまうメーカーが多いです。自分の使用している楽器でトリルが半音に聴こえるなぁ…と感じる人は、次の運指を試してみて下さい。

替え指③が1番音程が美しいです。難しくて指が揃わない人は、替え指④でも良いかと思います。先ずは音程の響きが明るくなるように心掛けて運指を選択して下さい。

Fの2小節目からの16分音符はしっかり音の粒を揃えて吹きましょう。書かれている音量のpを気にしすぎると、聴こえなくなってしまいますので注意しておきましょう。

Gの5小節目アウフタクトからFlのメロディは、先に吹いてくるCla&Saxのメロディからの受け答えのように、大きなスラーを生かして滑らかに、そしてHの1小節前に入ってくるPiccは、極力自然にフレーズ最後の味付けとして薫るようなニュアンスで加わりましょう。

 

Hの3小節目のfpですが、音量を減らした後はしっかりpをキープして、自分の耳にSax・Euphパートのメロディが聴こえてくるようにしておきましょう。

Hの8小節目のスラーの細かさに注意して、アーティキュレーションを正確に演奏しましょう。この辺りの臨時記号も見落とさないように!!

Iの2小節前のフェルマータは音量が痩せないようしっかり吹き、音量を保って下さい。

Iのところからは、動きの止まったおもちゃがゆっくり少しずつ動き出すような、そんな様子が感じられるフレーズですね!ジワジワと上がってくるテンポに乗り、最初と同じ主題に戻って来て下さい。ただAの時はmf、Jの時はfというように、音量設定が違うことを頭に入れて、このJからはより楽しげに生き生きとハツラツに演奏して下さい。Kの2小節前と4小節前は音の並びは同じなのですが、アクセント有り・無しという、違いがありますので、きちんと表現しましょう!

 

この曲は様々なおもちゃキャラクターが想像出来そうな、そんなイメージが湧いてきます。皆さんもそれぞれにイメージを膨らませて、自分自身でとにかく明るく楽しく愉快な雰囲気を持って、演奏してみて下さいね!!