フルート秘話 第11話を更新しました。

フルート秘話 第11話を更新致しました。

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フルート秘話<第10話>をアップしました!

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フルート秘話Ⅱ ドルチェF-6750とカンタービレF-8800のご紹介

先日オペラとマエスタの話をしましたので、今回は最近評価を多く頂いている、頭部管銀製ドルチェF-6750と総銀カンタービレF-8800を改めてご紹介します。

ドルチェF-6750は、ハンドメイド・マエスタの作りを継承した、手に馴染む美しくコンパクトなメカニズム、頭部管もパールの明るく柔らかい音色のルーツPHN-1(リングキィ)、幅広いダイナミックレンジでより豊かな表現が持ち味のVivo(カバードキィ)と、ハンドメイドと同じ頭部管である事が、単なるスペックを超えて評価されてきたのではないか、と思います。スペースの限られた文章では「頭部管銀、胴足部管洋銀製、銀メッキ仕上げ」だけですが、他の要素が伝わるようになってきた、という事でしょうか。

これはカンタービレF-8800にも同じ事が言えます。演奏が上達するにつれ、耳もどんどん贅沢に聴き分ける能力が身についてきます。響きや音色の深みを求めるのも当然。歴史の中で、総銀製フルートが現在のスタンダードになっていったのも頷けます。そして、長く手もとにおきたくなるつくりの良さ。カンタービレは、「総銀の響きと音色、パールのつくりを出来るだけ多くの方へ」という願いを込めて設定されました。その基準として、「使い込んで更に味わいの出る仕上げと精度」と「出来るだけ求めやすい価格」の高い次元でのバランスを考えて作られています。

その結果、中学生・高校生から使い始めた方が大人になっても愛用されている、また社会人愛好者から選ばれる、層の厚い楽器となりました。丁寧に作られた楽器は丁寧に扱われるため、学生の時から楽器の扱い方を学ぶよい機会にもなっています。

音が出やすい、人と違う外観、という要素がクローズアップされがちな価格帯の2つの楽器。どうぞ、パールが気になったら20分~30分位よく響きと音色に集中して試奏してみてください。明るさと柔らかさのバランスを考えた音色が見えてくると思います。30分経つとそろそろ違いが分かりにくくなってきますので、印象をまとめると良いかな、と思います。こうして選んだものは簡単に飽きることのない、貴方だけの楽器になっていく事でしょう。

頭部管ハンドメイド銀製・Dolce F-6750E (定価241,500円 税込)

頭部管ハンドメイド銀製・Dolce F-6750E (定価241,500円 税込)

フルート秘話Ⅱ マエスタとオペラをクローズアップ

パールのハンドメイドモデルとして、マエスタとオペラがあります。選ばれた職人が個人作品として、また特殊仕様もお受けする受注生産のオペラ、各専門分野の職人達の技術の結晶であるマエスタ。奏者と作り手のプライヴェートな思い入れの強いオペラに対して、世界中の檜舞台で活躍するコンサートフルートの代表としてマエスタがあります。

内外の一流プロ奏者が楽器を選ぶ目とは、あくまで自分が行いたい意思をズレなく表現してくれるか、更に奏者の感性と一致するプラスアルファがあるか、どうか、です。美しい仕上げや精度の高さについては、楽器の性能を維持する当然の条件として、製作者を信用しています。先日ご紹介した、フランソワ・ローラン氏は長くハンドメイド・マエスタ18K金製を愛用していますが、我々が嬉しかったのは、彼独自の要求に沿ってパールが用意したわけではなく、彼が出会った一本が、フィーリングも含めて、まさに彼が要求する自在な表現を可能にするものであったことでした。

更に、オペラに対する職人自らの執拗なまでのこだわりは容易な出品を許しません。筆記体で彫られたロゴや、台座を装飾形状にヤスリで仕上げるのもその証。年に限られた本数しか製作できないオペラは、まさにパールのスピリッツを後世に伝えるべき大事なモデルなのです。

下・ハンドメイドオペラ総銀、上・ハンドメイドマエスタ総銀

下・ハンドメイドオペラ総銀、上・ハンドメイドマエスタ総銀

フルート秘話Ⅱ 職人の机拝見

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フルート製作には、大きな機械(といっても町工場規模のものです。パールフルートの製作現場には、恐らく皆さんの想像もしていないレトロな機械たちが、まだまだ元気に大切に使われています!)もありますが、各職人の小さな工具も実に多くの種類があります。

組立てに使われるヤットコ

組立てに使われるヤットコ

頭部管・リッププレート・唄口製作に使われるヤットコ

頭部管・リッププレート・唄口製作に使われるヤットコ

以前ちょっと紹介したヤットコ。その場その場に合ったものを工夫して作っていった結果、増えていったのです。

 

無理な工具で作業すれば、キズをつけたりパーツを損なったりろくなことがありません。一つの作業を進めるのに慎重な姿勢は大事なのです。

組立用のドライバーやバイス、特殊な目的の工具たち

組立用のドライバーやバイス、特殊な目的の工具たち

 

こちらはメカニズムを組み立てる工具たち。ドライバーは勿論、小さな修正を加えるにもそれぞれに合った工具を用意します。

 

 

 

メカニズムの部品を仕上げるヤスリ

メカニズムの部品を仕上げるヤスリ

 

お馴染みヤスリ。部品の形状仕上げに使われます。「油目」という通常の「細目」より細かいものの中でも更に細かいものを使用しています。このような工具も限られた所でしか作っていませんが、製作には必要です。

 

 

完成したパールフルートには、職人たちの気持ちが込められています。

フルート秘話Ⅱ トーンホールの精度

今までトーンホールの製作やタンポ調整の作業を紹介してきましたが、さて、鍵となるのはトーンホールとタンポの合い方。ちょっと見ると、タンポがトーンホールに食い込んでいれば、いかにも漏れがなく良さそうに見えますが…見た目から想像されるより遥かに厳しいもので、一見綺麗で合っていそうで、駄目な状態の楽器も散見されます。

平滑な検査工具を用いて、光の漏れがないか確認します。

平滑な検査工具を用いて、光の漏れがないか確認します。

角度を変えて見ます。ちなみに「光の隙間」を見つけるのはかなり熟練が必要。若手が入ると熟練工は「見えるか?」と鍛えていきます。

角度を変えて見ます。ちなみに「光の隙間」を見つけるのはかなり熟練が必要。若手が入ると熟練工は「見えるか?」と鍛えていきます。

トーンホールの精度確認作業です。円盤状の平滑な計測具をトーンホールに当てて熟練の職人が確認します。これだけトーンホールと作動メカニズムが精密に出来ていても、タンポが「生きている」ものである以上、一つ一つの合わせ込みが必要です。

 

 

 

各部の馴染ませは念を入れて調整します

各部の馴染ませは念を入れて調整します

ハンドメイドと並ぶ、頭部管銀のF-6750 Dolce。熟練工が仕上げます。

ハンドメイドと並ぶ、頭部管銀のF-6750 Dolce。熟練工が仕上げます。

各部の調整にはネジとネジを受ける薄い皮が使われています。この皮がないと作動させた時のカチカチ音が気になります。ここも馴染ませて「新しいけれどクセを出しきった」ちょうどおいしい状態にする手間を掛けます。

フルートはとかく材料のコストが話題になるのですが(もちろんそれもあります)、必要な手間の蓄積で出来ています。楽器が道具である以上、使い込めばヘタリが出てきます。もし調整が必要になっても、一つ一つの精度が高ければ、良好な状態に直すこともできます。精度は、次の工程でより高度な品質を作り上げるため、また、作り上げた品質をより長く維持する基本事項なのです。

F-6750E Dolce、マエスタ継承の作りを見て欲しい作品です。

F-6750E Dolce、マエスタ継承の作りを見て欲しい作品です。

フルート秘話Ⅱ リペア作業の様子

最近はリペアの重要性にも注目が集まり、多くのお客様が来店されます。事故などの修理はさておき、通常の定期調整とは、一体どんな作業が行われ、効能があるのか? ちょっと紹介してみます。

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まず、お客様から、お預かりする楽器の状況、特定の音が出にくい箇所など、気になる部分を聴き、メンテの重要ポイントを想定します。

  リペアマンの試し吹き=演奏ではありません。音の出易さをチェックします。普通に吹いても分かりにくい、不調の部分を見つけます。また光で透かしてみたり、薄紙を引いてみます。不調箇所を発見する事は、結構熟練が必要です。 

分解=過去何回かお話しに登場したドライバー。各職人が自分で研いだものを使います。 

 

 

 

分解したら、(必要に応じ)タンポを外し、適切な調整紙(0.1~0.02mm厚)を選び、必要な部分の形を切ります。カップの必要箇所に入れ、タンポを閉じます。

微妙な合わせには「ひねり」も正しい調整方法です。「ヘラ(各種あります)」を必要箇所に当て、目では見えない僅かな傾きを作ります。

仮組みして、ちゃんと調整されているかの確認をします。

 

 

このように右手と左手の一つ一つのキー(H足部管だと全16箇所)をまず調整。何回か繰返し、精度を上げていきます。それが出来たら、左右で連動するキー同士の「連絡」を見ます。胴部で8箇所(Eメカ付の場合)、足部で1箇所の連絡を見ます。

作業完了したら、最終確認はお客様にして頂きますが、音具合をリペアマンにも聞かせて頂けると嬉しいです。「特に不満はないけど、1年経過したので持って来た」というお客様が、楽に音が出せる、音色の変化が付けやすい、等々驚かれる事も珍しくありません。楽器は微妙に日々変化していくので、使っているご本人には分かりにくいのです。

 このような作業で約2時間ほど、4,000~5,000円程度(内容によって変わります)が目安となります。当日仕上りを希望される場合は予めご予約ください。 ※予約・お問合せ: パールフルートギャラリー<東京> tel: 03-3836-1610、<大阪>06-6282-8578 (10:30AM-18:30PM、日祭定休)

 

なお、当社で今年も開催する人気の「無料調整会」ですが、作業時間は1本20分程です。これは調整の重要性をお知らせするイベントです。リペアマンと顔を合わせて確認・応急処置をする機会、とお考え頂けると幸いです。

フルート秘話Ⅱ ハンダ付けトーンホール

先日引上げトーンホールを製作する「コマ」のお話しでした。今日は、ハンダ付けトーンホール製作の一部をご紹介します。

ご存知の通り、管体とは別部品がハンダ付けによって、トーンホールが製作されます。こちらも当ホームページのトップ、左下の方にバンナーがある、「工場見学(Workshop)」でも動画がご覧になれます。http://www.pearlflute.com/_english/tra_workshop.html (Soldered Tone Hole Processの項)

管体・トーンホール中央部の位置に小さな穴を開けて、止め金具を使って、トーンホール材を管体に固定します。使われるハンダは必要にして十分な量をピンセットで置きます。以前ご紹介しましたが、パールのトーンホール厚は0.7mm。ハンダ付けトーンホールの特徴である、音の粒の表現し易さを持ちつつ、パールの明るく、柔らかい音色のバランスを研究し、様々トライした結果です。少ない面積でもしっかりしたハンダ付けの実現には高価ではありますが、金ハンダの採用が必要でありました。(※拡大=画像の上でクリック!して下さい。戻るには拡大写真右下の「Close」で)

 

火を使います。管体を火箸で持ち、傾けながらハンダがトーンホール接合面に十分行渡るようにします。

 

 

トーンホールが付きました。

この後、メカニズムが組み付けられて、タンポ調整が行われますが、このトーンホールの精度がその基礎になります。

写真はハンドメイド・オペラ(総ローズゴールド14K金製)です。

フルート秘話Ⅱ コマのメインテナンス

ここで言う「コマ」は、引き上げトーンホールを作るための工具の事です(拡大には画像の上でクリック!してください)。

 

 

 

各トーンホールに合わせてこの「丸めのピラミッド」が大小あります。このコマを管体の中にセットして引上げる工程はこちら!

http://www.pearlflute.com/_english/tra_workshop.html

(英語版工程紹介、一番上の”Drawn Tone Hall Process”をお選びください)

この引上げ工程の後、カーリングを行います。ご覧になって想像つくように、引上げの型や管体の中にセットする棒状の位置案内治工具(動画では管体の中に入っていますので見えません)も大変重要ですが、このコマもメインテナンスが大事です。

 

 

 

引上げ作業でコマの表面も汚れてきますので、これを非常に目の細かい紙ヤスリで磨きます。当て加減も大事、磨きすぎ禁物!

こんな感じになります。

 

 

 

製作された胴部管が並びます。ちなみに写真で各管の右の方、小さいCisのトーンホールは半田付けで行っています(Dolce F-6750以上のモデル)。

 

 

足部管の写真です。う~ん、トーンホールが見えにくいかな?

左=半田付けトーンホールのプリスティーン銀製マエスタ、右=引上げトーンホール、今回はカンタービレに登場して貰いました。半田付けの方は、また今度紹介しますね。

フルート秘話Ⅱ 壁を作る話

今回は「壁」。頭部管の製作で出てくる言葉です。

「壁」=頭部管の息の当たる部分。主にライザーという箇所ですが、ここを繊細な形状に削り、更にオーバーカット、アンダーカットを行って唄口の仕様を整える作業です。ライザーはチムニー(煙突の意)とも呼ばれ、音色・吹心地を左右する重要な部分。材料はこんな感じです(写真は銀)。リッププレートは0.7mm厚の板をプレスして作られます。その脇に置いたのがライザー。結構分厚いでしょう?

 

 

 

 

 

 

リッププレートの唄口外形を作ります。それをライザーにロウ接、そして管にハンダ付けします。(作業工程は当ホームページの「工場見学(workshop)」で動画が見れます。英語版ですみません)。http://www.pearlflute.com/_english/tra_workshop.html

 

 こんな感じです。この時点ではすごく唄口も小さいでしょう?

更に唄口を正確に拡げ、そこにオーバーカット、アンダーカットをつけていきます。オーバーカットはリッププレートの外側なので見れますが、アンダーカットは頭部管の内側です。歯医者さんのように鏡を入れて確認。独自の測定具を使いながら慎重に作業を進めます。職人の感覚が必要です。世間で「職人気質」というと、気まぐれと紙一重の芸術的イメージがあるかもしれませんが、きちっと規格に沿った作りが求められる「感覚」です。

でもそれ以上に繊細なのは皆さん奏者の感覚。「個体差」という表現がありますが、試奏一回目と二回目で全く違う印象になる事があります。確かに別のものである以上、個体差はありますが…どれも品質を満足するよう素材を吟味しベストを目指して製作しますので、個体差とはむしろ奏者と楽器の相性や出会いかもしれませんね。貴方にぴったりのパールフルートがあれば嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真は上=925Ag銀製(唄口PHN-1)、下=プリスティーン970Ag銀製、リッププレート&ライザーはローズゴールド14K金製(唄口Forte)の頭部管です。

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